DV被害者は虐待の共犯となる地獄絵図
日々、筆舌に尽くしがたい虐待の報道がなされています。そして、直接手を下した父親だけでなく、母親が逮捕されたという情報が入ってきました。
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASM2451TCM24UDCB01G.html?iref=sp_ss_date
刑法で「不作為の共犯」という論点があります。これは「何かをしないことによって犯罪を助長したものを罰せられるか」という問題です。
この論点で事例として出題されるのがまさに虐待されている娘を見殺しにした母親でした。
たしかに、法律論でいえば因果関係を助長=犯罪をやりやすくしたといえれば共犯と認められます。それに子どもを守るという最低限かつ最大の親の義務を全うできなかった親の責任を問うという当然でしょう。
一方、DV被害者はDV加害者に抵抗できない心理状態にさせられることも知られています。
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/04.html
そう考えると、ただ罰すればいいというものではなく、DV被害者の救済という観点も必要なのではないかとも思えます。
絶対に、最優先で、守らなければならないのは子どもの命です。
一方で、子どものみならず家庭という密室で人知れず虐げられている人々を包括的に救済する制度設計が求められると思います。
試験勉強で扱った題材が、こうやって現実で起こってしまうと、私が勉強していることは絵空事ではないと戦慄しているところです。